まちのしんり
町の真理

冒頭文

せみ B坊(ビーぼう)が、だれかにいじめられて、路(みち)の上(うえ)で泣(な)いていました。 「どうしたの?」と、わけをきくと、こうなのであります。 A坊(エーぼう)と、B坊(ビーぼう)は、いっしょに遊(あそ)んでいたのです。すると、みんみんぜみが飛(と)んできて、頭(あたま)の上(うえ)の枝(えだ)に止(と)まりました。 二人(ふたり)は、家(いえ)に走(はし)っていって、もち棒(ぼう

文字遣い

新字新仮名

初出

「帝国教育 589号」1931(昭和6)年9月

底本

  • 定本小川未明童話全集 8
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年6月10日