へいげんのきととり |
| 平原の木と鳥 |
冒頭文
春(はる)の先駆者(せんくしゃ)であるひばりが、大空(おおぞら)に高(たか)く舞(ま)い上(あ)がって、しきりにさえずるときに、謙遜(けんそん)なほおじろは、田圃(たんぼ)の畦道(あぜみち)に立(た)っているはんのきや、平原(へいげん)の高(たか)い木(き)のいただきに止(と)まって、村(むら)や、野原(のはら)をながめながらさえずりました。 「もっと高(たか)く上(あ)がって、鳴(な)いたらい
文字遣い
新字新仮名
初出
「黒色戦線 第2次」1931(昭和6)年9月
底本
- 定本小川未明童話全集 8
- 講談社
- 1977(昭和52)年6月10日