はまねこ |
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冒頭文
そこは北(きた)のさびしい海岸(かいがん)でありました。秋(あき)も末(すえ)になると、海(うみ)が荒(あ)れて、風(かぜ)は、昼(ひる)となく夜(よる)となく吹(ふ)いて、岩(いわ)に打(う)ちあたってくだける波(なみ)がほえていました。この時分(じぶん)になると、白(しろ)いかもめがどこからともなく、たくさんこの海岸(かいがん)に集(あつ)まってきました。そして、波(なみ)の上(うえ)をかすめ
文字遣い
新字新仮名
初出
「国民新聞」1931(昭和6)年11月2日
底本
- 定本小川未明童話全集 8
- 講談社
- 1977(昭和52)年6月10日