なつとおじいさん
夏とおじいさん

冒頭文

ある街(まち)に、気(き)むずかしいおじいさんが住(す)んでいました。まったく、独(ひと)りぽっちでおりましたけれど、欲深(よくふか)なものですから、金(かね)をためることばかり考(かんが)えていて、さびしいということなど知(し)りませんでした。 「おじいさんは、おひとりで、おさびしくありませんか?」と、独(ひと)り者(もの)のおじいさんの身(み)の上(うえ)を思(おも)って、なぐさめるものがあ

文字遣い

新字新仮名

初出

「國民新聞」1931(昭和6)年7月12日

底本

  • 定本小川未明童話全集 8
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年6月10日