やまのじんせい
山の人生

冒頭文

自序 山の人生と題する短い研究を、昨年『朝日グラフ』に連載した時には、一番親切だと思った友人の批評が、面白そうだがよく解らぬというのであった。ああして胡麻(ごま)かすのだろうという類の酷評も、少しはあったように感じられた。もちろん甚だむつかしくして、明晰(めいせき)に書いてみようもないのではあったが、もしまだ出さなかった材料を出し、簡略に失した説明を少し詳しくしてみたら、あれほどにはある

文字遣い

新字新仮名

初出

山の人生「アサヒグラフ」1925(大正14)年1月~8月、山人考「大正六年日本歴史地理学会大会講演手稿」1917(大正6)年11月

底本

  • 遠野物語 山の人生
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1976(昭和51)年4月16日