とおのものがたり
遠野物語

冒頭文

この書を外国に在る人々に呈す この話はすべて遠野(とおの)の人佐々木鏡石君より聞きたり。昨(さく)明治四十二年の二月ごろより始めて夜分おりおり訪(たず)ね来(き)たりこの話をせられしを筆記せしなり。鏡石君は話上手(はなしじょうず)にはあらざれども誠実なる人なり。自分もまた一字一句をも加減(かげん)せず感じたるままを書きたり。思うに遠野郷(ごう)にはこの類の物語なお数百件あるならん

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 遠野物語・山の人生
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1960(昭和35)年4月16日