ずいひつ しほんたいへいき
随筆 私本太平記

冒頭文

新春太平綺語 おそらく、十代二十代の人には一笑にも値しまい。けれど私たちの年齢の者は、平凡なはなしだが、「ああ、元日か」の感慨を年々またあらたにする。昨日の歴史、あの戦中戦後を通って来て、生ける身を、ふしぎに思うからである。そこで去年(昭和三十二年)の正月の試筆には、戯(たわむ)れ半分に「元日や今年もどうぞ女房どの」などという句を色紙にかけて拝むことにしておいた。すると升田幸三氏やら誰(

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 随筆 宮本武蔵/随筆私本太平記
  • 吉川英治歴史時代文庫、講談社
  • 1990(平成2)年10月11日