ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵

冒頭文

序 古人を観(み)るのは、山を観るようなものである。観る者の心ひとつで、山のありかたは千差万別する。 無用にも有用にも。遠くにも、身近にも。 山に対して、山を観るがごとく、時をへだてて古人を観る。興趣はつきない。 過去の空には、古人の群峰がある。そのたくさんな山影の中で、宮本武蔵は、私のすきな古人のひとりである。剣という秋霜(しゅうそう)の気が、その人の全部

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 随筆 宮本武蔵/随筆 私本太平記
  • 吉川英治歴史時代文庫 補5、講談社
  • 1990(平成2)年10月11日