しほんたいへいき 05 よのつじのじょう
私本太平記 05 世の辻の帖

冒頭文

罪(つみ)の暦(こよみ) 先帝(せんてい)後醍醐(ごだいご)の隠岐(おき)遠流(おんる)。 二皇子の四国流し。 その日は近かった。あと二日ほどでしかない。洛中は車馬のうごきにも緊迫した時局が見えて、不気味な流言もまま飛んでいた。 「楠木(くすのき)はまだ生きている!」 「正成(まさしげ)はまだ死んではいない」 「赤坂落城のさい死んだとみせ、じつは大塔ノ宮と共にど

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 私本太平記(三)
  • 吉川英治歴史時代文庫、講談社
  • 1990(平成2)年3月11日