しほんたいへいき 04 ていごくじょう |
| 私本太平記 04 帝獄帖 |
冒頭文
山門の二皇子 ここで日と月は、少し以前へもどるが。 足利家の大蔵邸に預けられていた囚人僧(めしゅうどそう)のひとり忠円が、鎌倉表から越後へ流されて行った前後に、その忠円の密使らしい者が、叡山(えいざん)の坂本にある山門の別当へ、 「なにとぞ、これを大塔(だいとう)ノ法親王(ほうしんのう)さまへ、お直々(じきじき)に」 と、一書を投じて去った事実がある。 それが誰だかわからない。 流
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 私本太平記(三)
- 吉川英治歴史時代文庫、講談社
- 1990(平成2)年3月11日