さんごくし 06 こうめいのまき
三国志 06 孔明の巻

冒頭文

関羽千里行(かんうせんりこう) 一 時刻ごとに見廻りにくる巡邏(じゅんら)の一隊であろう。 明け方、まだ白い残月がある頃、いつものように府城、官衙(かんが)の辻々をめぐって、やがて大きな溝渠(こうきょ)に沿い、内院の前までかかってくると、ふいに巡邏のひとりが大声でいった。 「ひどく早いなあ。もう内院の門が開いとるが」 すると、ほかの一名がまた、 「はて。

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 三国志(四)
  • 吉川英治歴史時代文庫、講談社
  • 1989(平成元)年4月11日