なるとひちょう 06 なるとのまき
鳴門秘帖 06 鳴門の巻

冒頭文

お千絵様(ちえさま) さて、その後またどうしたろうか、お千絵(ちえ)様は? かの女の今の環境はしずかであった。爽(さわ)やかな京の秋がおとずれている。 部屋の前はひろい河原で、玉砂利と雑草とを縫(ぬ)う幾すじもの清冽(せいれつ)は、加茂(かも)の水と高野川(たかのがわ)の末がここで落ちあっているのだと、和(やわ)らかい京言葉をもつ小間使に教えられた。 そこは、京

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 鳴門秘帖(三)
  • 吉川英治歴史時代文庫4、講談社
  • 1989(平成元)年9月11日