みやもとむさし 04 ひのまき
宮本武蔵 04 火の巻

冒頭文

西瓜 一 伏見桃山の城地を繞(めぐ)っている淀川の水は、そのまま長流数里、浪華江(なにわえ)の大坂城の石垣へも寄せていた。——で、ここら京都あたりの政治的なうごきは、微妙に大坂のほうへすぐ響き、また大坂方の一将一卒の言論も、おそろしく敏感に伏見の城へ聞えて来るらしい。 今—— 摂津、山城の二ヵ国を貫くこの大河を中心にして、日本の文化は大きな激変に遭(あ)って

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 宮本武蔵(三)
  • 吉川英治歴史時代文庫16、講談社
  • 1989(平成元)年11月11日