みやもとむさし 02 ちのまき
宮本武蔵 02 地の巻

冒頭文

鈴 一 ——どうなるものか、この天地の大きな動きが。 もう人間の個々の振舞いなどは、秋かぜの中の一片の木の葉でしかない。なるようになッてしまえ。 武蔵(たけぞう)は、そう思った。 屍(かばね)と屍のあいだにあって、彼も一個の屍かのように横たわったまま、そう観念していたのである。 「——今、動いてみたッて、仕方がない」 けれど、実は、体力

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 宮本武蔵(一)
  • 吉川英治歴史時代文庫、講談社
  • 1989(平成元)年11月11日