こどもたちへのせきにん
子供たちへの責任

冒頭文

最近小さな子供の行状などを見ていると胸をうたれる。いいかえれば時代を反映して悪がしこくなり、今までの子供らしさを失っているものが多い。 子供は純情と一口でいうけれど、それは畢竟(ひっきょう)どうにでも感化されるという意味に他ならぬ。ただ子供は大人とちがって、鋭い叡智(えいち)をもっている、それは未だくもりなき心に自然がありのまま映るからである。 戦争中はいかなる言葉をもって子供たちを教えた

文字遣い

新字新仮名

初出

「日本児童文学」1946(昭和21)年9月

底本

  • 定本小川未明童話全集 14
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年12月10日