おちば
落葉

冒頭文

樹々(きゞ)に落葉のある如く、月日(つきひ)にも落葉がある。無邊のあなたから吹いて來る音無(おとなし)の風は歳月の樹々を震はせて、黄ばみ戰(わなゝ)く月日をば順々に落してゆく。落ちてどこへ行くのだらう。黄ばみ戰く木(こ)の葉(は)はどこへ行くのだらう。言ふまでも無く、それは自然が歳々(としどし)の復活を營むあの大實驗室へ行くのだ。それがまた新に青くなつて、一樣になつて、歸り來る時、葉の裁方(たちか

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 上田敏詩集
  • 玄文社詩歌部
  • 1923(大正12)年1月10日