おもいで
想い出

冒頭文

よき日、よき頃のはなしである。 フランスの汽船会社M・Mの船が、神戸の港へ入ると、その船へ昼食を食べに行くことが出来たものだった。 はじめての時は、フェリックス・ルセルという船だった。 その碇泊中の船の食堂で、食べたフランス料理の味を、僕は永遠に記念したい。 落着いた食堂で、純白のテーブル掛のかかったテーブルに着くと、黒ん坊のウェイターが、サーヴィスして呉れ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • ロッパの悲食記
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1995(平成7)年8月24日