どういんそうわ[だいいっこう]
動員挿話[第一稿]

冒頭文

宇治少佐鈴子夫人馬丁友吉妻 お種従卒太田女中よし明治三十七年の夏東京 第一場 宇治少佐の居間。——夕刻従卒太田が軍用鞄の整理をしてゐる。宇治少佐が和服姿で現はれる。 少佐。もう大概揃つたか。太田。はあ。少佐。家の者には会つとかんでもいゝのか。太田。…………。少佐。なんなら、此処で会つてもいゝぞ。お母さんに来るやうに云つたらどうだ。太田。駄目です。泣かれると却つて五月蠅いですから……。少佐。ぢ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「太陽 第三十三巻第一号」1927(昭和2)年7月1日

底本

  • 岸田國士全集3
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年5月8日