しゃしん(ひとまく)
写真(一幕)

冒頭文

人物 三好大尉三好夫人女中隣の細君忠坊 東京の郊外——初秋の午後。三好大尉の家——庭に面した八畳の座敷。 縁先に腰をかけ、一心に写真ブツクの写真に見入つてゐるのが隣の細君である。そこへからだを乗り出すようにして、頻りに写真の説明をしてゐるのが三好大尉夫人。 三好夫人  早いもんですね。もう今年で六年目ですからね。隣の細君  ほんとにね。でも、お子様はお一人きりですし、お気楽ですわ。三好夫人  

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 岸田國士全集3
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年5月8日