くぐつのゆめ(ごば)
傀儡の夢(五場)

冒頭文

有田浩三妻 倉子書生水垣小間使銀下働 滝水垣の友竹中 一 有田浩三の書斎。朝。 浩三  (読んでゐる新聞から目を放さずに、はひつて来た妻に向ひ)おはやう。昨夜はよく眠つたかい。何か寝言を云つてたね。倉子  (夫の手から新聞を取り上げ)これ、もう御覧になつたんでせう。ええ、よく眠ましたわ。寝言なんか云つて、あたくし?浩三  お前の寝言はこれで三度目だ。お前が、そんな顔をして、恐ろしい秘密をもつ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「女性 第十二巻第二号」1927(昭和2)年8月1日

底本

  • 岸田國士全集3
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年5月8日