いちょう
公孫樹

冒頭文

秋風死ぬる夕べの 入日の映のひと時、 ものみな息をひそめて、 さびしさ深く流るる。 心のうるみ切なき ひと時、あはれ、仰ぐは 黄金の秋の雲をし まとへる丘の公孫樹。 光栄の色よ、など、さは 深くも黙し立てるや。 さながら、遠き昔の 聖の墓とばかりに。 ま白き鴿(はと)のひと群、 天の羽々矢と降(お)りきて、 黄金の雲にいりぬる。—— あはれ何にかたぐへむ((これ、はた

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 花の名随筆11 十一月の花
  • 作品社
  • 1999(平成11)年10月10日