秋風死ぬる夕べの 入日の映のひと時、 ものみな息をひそめて、 さびしさ深く流るる。 心のうるみ切なき ひと時、あはれ、仰ぐは 黄金の秋の雲をし まとへる丘の公孫樹。 光栄の色よ、など、さは 深くも黙し立てるや。 さながら、遠き昔の 聖の墓とばかりに。 ま白き鴿(はと)のひと群、 天の羽々矢と降(お)りきて、 黄金の雲にいりぬる。—— あはれ何にかたぐへむ((これ、はた