おしむすめ
唖娘

冒頭文

伊井蓉峰(いいようほう)の弟子に石井孝三郎(こうさぶろう)と云う女形(おやま)があった。絵が好きで清方(きよかた)の弟子になっていた。あまり好い男と云うでもないがどことなく味のある顔をしていた。下廻(したまわり)で田舎(いなか)を歩いていた時、某町(あるまち)で楽屋遊びに来る十七八の姝(きれい)な女を見つけた。それは髪結(かみゆい)をしている唖女であった。下廻で宿屋に往けないので小屋に寝臥(ねおき

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本怪談大全 第二巻 幽霊の館
  • 国書刊行会
  • 1995(平成7)年8月2日