こうとう
黄灯

冒頭文

入口の障子(しょうじ)をがたがたと開(あ)けて、学生マントを着た小兵(こがら)な学生が、雨水の光る蛇目傘(じゃのめがさ)を半畳(はんだたみ)にして、微暗(うすくら)い土間(どま)へ入って来た。もう明日(あす)の朝の準備(したく)をしてしまって、膳(ぜん)さきの二合を嘗(な)めるようにして飲んでいた主翁(ていしゅ)は、盃(さかずき)を持ったなりに土間の方へ目をやった。 「いらっしゃい」

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本怪談大全 第二巻 幽霊の館
  • 国書刊行会
  • 1995(平成7)年8月2日