しろっぽいようふく
白っぽい洋服

冒頭文

務(つとむ)は電車の踏切を離れて丘の方へ歩いた。彼は一度ならず二度三度疾走して来る電車を覘(ねら)っていたが、そのつど邪魔が入って目的を達することができなかった。彼は混乱している頭で他に死場所を探さなければならなかった。彼はいらいらした気もちで歩いていた。 電車線路のこっちに一幅の耕地を持って高まった丘は、電車が開通するとともに文化住宅地になって、昼間電車の中から見ると丘の樹木の間から碧

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本怪談大全 第二巻 幽霊の館
  • 国書刊行会
  • 1995(平成7)年8月2日