うまのかお
馬の顔

冒頭文

暗い中から驟雨(ゆうだち)のような初夏の雨が吹きあげるように降っていた。道夫は傾斜(こうばい)の急な径(こみち)を日和下駄(ひよりげた)を穿(は)いた足端(あしさき)でさぐりさぐりおりて往った。街燈一つないその路(みち)は曲りくねっているので、一歩あやまれば転(ころ)がって尻端折(しりはしょり)にしている単衣(ひとえもの)を赭土(あかつち)だらけにするか、根笹(ねささ)や青薄(あおすすき)に交(ま

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本怪談大全 第一巻 女怪の館
  • 国書刊行会
  • 1995(平成7)年7月10日