何時(いつ)の比(ころ)のことであったか朝鮮の王城(おうじょう)から南に当る村に鄭(てい)と云う老宰相が住んでいた。その宰相の家には宣揚(せんよう)と云う独(ひと)り児(ご)の秀才があったが、それが十八歳になると父の宰相は、同族の両班(ヤンパン)の家から一人の女を見つけて来てそれを我が児の嫁にした。 宣揚の夫人となった女は花のような姿をしていた。宣揚は従来(いままで)にない幸福を感じて、夫人を