あいみじんのきもの
藍微塵の衣服

冒頭文

これは東京の芝区にあった話である。芝区の某町に質屋があって、そこの女房が五歳(いつつ)か六歳(むっつ)になる女の子を残して病死したので、所天(ていしゅ)は後妻を貰った。 後妻と云うのは、気質の従順な、何時(いつ)も愉快そうな顔をしている女で、継子(ままこ)に対しても真の母親のような愛情を見せたので、継子も非常に懐(なつ)いて、所天も安心することができた。 が、その後妻が、しばら

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本怪談大全 第二巻 幽霊の館
  • 国書刊行会
  • 1995(平成7)年8月2日