しま

冒頭文

おーい見えたと マストから、梟(ふくろ)みたいに よんでゐる。 そーら島だと ケビンから 羽蟻(はあり)みたいに かけてでる。 ほーう小(ち)さいと 円窓に望遠鏡が つきでゝる。 ボーウ、ボーウと サイレンが 出船みたいに なつてゐる。 帽子や旗を ふつてゐる。 おーい敬礼して行けと マストやデツキで 失敬した。

文字遣い

新字旧仮名

初出

「赤い鳥」赤い鳥社、1932(昭和7)年11月

底本

  • 日本児童文学大系 第二八巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日