てらだとらひこ
寺田寅彦

冒頭文

(昭和十一年) 寺田さんは有名な物理学者であるが、その研究の特徴は、日常身辺にありふれた事柄、具体的現実として我々の周囲に手近に見られるような事実の中に、本当に研究すべき問題を見出した点にあるという。ところで日常身辺の事実が示しているのは単に物理学的現象のみではなく、化学的・生理学的・動植物学的等の諸現象の複雑な絡(から)み合いである。 寺田さんはそういう現象のうちにも常に閑却

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 黄道
  • 角川書店
  • 1965(昭和40)年9月15日