やんま
やんま

冒頭文

正(しょう)ちゃんは、やんまを捕(と)りました。そして、やんまの羽(はね)についた、もちを取(と)っていると、ぶるっとやんまは、羽(はね)を鳴(な)らして、手(て)から逃(に)げてしまいました。 「あっ。」と、いって、その逃(に)げた方(ほう)を見送(みおく)ると、よく飛(と)べないとみえて、歩(ある)いてゆくおばあさんの背中(せなか)にとまったのです。 正(しょう)ちゃんは、胸(むね)がどきど

文字遣い

新字新仮名

初出

「教育・国語教育 5巻10号」1935(昭和10)年10月

底本

  • 定本小川未明童話全集 11
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年9月10日