もずとすぎのき
もずとすぎの木

冒頭文

若(わか)い元気(げんき)なもずが、風(かぜ)の中(なか)をすずめを追(お)いかけてきました。すずめは、死(し)にもの狂(ぐる)いに飛(と)んで、すいと黒(くろ)くしげったかしの木(き)の中(なか)へ下(お)りると、もずはついにその姿(すがた)を見失(みうしな)ってしまったので、そばの高(たか)いすぎの木(き)の頂(いただき)に下(お)りて止(と)まりました。 「ああ、ばかな骨(ほね)おり損(ぞ

文字遣い

新字新仮名

初出

「台湾日日新報」1937(昭和12)年4月16日

底本

  • 定本小川未明童話全集 11
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年9月10日