むらのかじやさん
村のかじやさん

冒頭文

村(むら)のかじやさんは、はたらき者(もの)で、いつも夜(よる)おそくまで、テンカン、テンカンと、かなづちをならしていました。 ある夜(よ)、きつねが、あちらの森(もり)で、コンコンとなきました。 かじやさんは、「お正月(しょうがつ)の休(やす)みに、きつねをとってやろう。」と、思(おも)いました。 かじやさんは、自分(じぶん)の手(て)で、ばねじかけのおとしを作(つく)りました。

文字遣い

新字新仮名

初出

「セウガク二年生 12巻13号」1937(昭和12)年1月

底本

  • 定本小川未明童話全集 11
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年9月10日