はるのひ
春の日

冒頭文

もう、春(はる)です。仲(なか)のいい三人(にん)は、いっしょに遊(あそ)んでいました。 徳(とく)ちゃんは、なかなかのひょうきんもので、両方(りょうほう)の親指(おやゆび)を口(くち)の中(なか)に入(い)れ、二本(ほん)のくすり指(ゆび)で、あかんべいをして、ひょっとこの面(めん)をしたり、はんにゃの似顔(にがお)をして見(み)せて、よく人(ひと)を笑(わら)わせました。とし子(こ)さんは

文字遣い

新字新仮名

初出

「教育・国語教育」1936(昭和11)年3月

底本

  • 定本小川未明童話全集 11
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年9月10日