としちゃんとハーモニカ
年ちゃんとハーモニカ

冒頭文

年(とし)ちゃんの友(とも)だちの間(あいだ)で、ハーモニカを吹(ふ)くことが、はやりました。はじめ、だれか一人(ひとり)がハーモニカを持(も)つと、みんながほしくなって、つぎから、つぎへというふうに、買(か)ったのであります。けれど、みんなは、それを吹(ふ)き鳴(な)らすことを覚(おぼ)えないうちに、やめてしまったけれど、年(とし)ちゃんだけは、べつに教(おそ)わりもせずに、いろいろの歌(うた)

文字遣い

新字新仮名

初出

「教育・国語教育 5巻9号」1935(昭和10)年9月

底本

  • 定本小川未明童話全集 11
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年9月10日