たまむしのおばさん
玉虫のおばさん

冒頭文

ある日(ひ)、春子(はるこ)さんが、久代(ひさよ)さんの家(うち)へ遊(あそ)びにまいりますと、 「ねえ、春子(はるこ)さん、きれいなものを見(み)せてあげましょうか。」と、いって、久代(ひさよ)さんは、ひきだしの中(なか)から、小(ちい)さなきりの箱(はこ)を取(と)り出(だ)しました。「この中(なか)に、なにが入(はい)っているか、あててごらんなさい。」と、笑(わら)いながら、いいました。

文字遣い

新字新仮名

初出

「せうがく三年生」1936(昭和11)年11月

底本

  • 定本小川未明童話全集 11
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年9月10日