そらはれて
空晴れて

冒頭文

山間(さんかん)の寂(さび)しい村(むら)には、秋(あき)が早(はや)くきました。一時(じ)、木々(きぎ)の葉(は)が紅葉(こうよう)して、さながら火(ひ)の燃(も)えついたように美(うつく)しかったのもつかの間(ま)であって、身(み)をきるようなあらしのたびに、山(やま)はやせ、やがて、その後(のち)にやってくる、長(なが)い沈黙(ちんもく)の冬(ふゆ)に移(うつ)らんとしていたのです。そこにあ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 定本小川未明童話全集 10
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年8月10日