しんぼうとおしょうさま
真坊と和尚さま

冒頭文

夏休(なつやす)みの間(あいだ)のことでありました。 がき大将(だいしょう)の真坊(しんぼう)は、先(さき)にたって、寺(てら)のひさしに巣(す)をかけたすずめばちを退治(たいじ)にゆきました。 「いいかい、一、二、三で、みんないっしょに石(いし)を投(な)げるのだよ、うまく命中(めいちゅう)したものが偉(えら)いのだから。」と、いいました。みんなは、目(め)をまるくして真坊(しんぼう)のい

文字遣い

新字新仮名

初出

「台湾日日新報」1936(昭和11)年10月31日

底本

  • 定本小川未明童話全集 11
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年9月10日