こざるとははざる ははがこどもによんできかせてやるどうわ
子ざると母ざる 母が子供に読んできかせてやる童話

冒頭文

ある日(ひ)、かりゅうどが山(やま)へいくと、子(こ)ざるが木(き)の実(み)を拾(ひろ)ってたべていました。もうじきに冬(ふゆ)がくるので、木(き)の葉(は)は紅(あか)く色(いろ)づいて、いろいろの小鳥(ことり)たちが、チッ、チッ、といって鳴(な)いていました。 かりゅうどは、子(こ)ざるを見(み)つけると、足音(あしおと)をたてぬように、近寄(ちかよ)りました。 「はてな、子(こ)ざる

文字遣い

新字新仮名

初出

「愛育 2巻11号」1936(昭和11)年1月

底本

  • 定本小川未明童話全集 11
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年9月10日