くさをわけて |
| 草を分けて |
冒頭文
兄(にい)さんの打(う)った球(たま)が、やぶの中(なか)へ飛(と)び込(こ)むたびに辰夫(たつお)くんは、草(くさ)を分(わ)けてそれを拾(ひろ)わせられたのです。 「なんでも、あのあたりだよ。」と、兄(あに)の政二(まさじ)くんは指図(さしず)をしておいて、自分(じぶん)は、またお友(とも)だちとほかの球(たま)で野球(やきゅう)をつづけていました。「困(こま)ったなあ。」と、思(おも)って
文字遣い
新字新仮名
初出
「せうがく三年生 13巻3号」1936(昭和11)年6月
底本
- 定本小川未明童話全集 11
- 講談社
- 1977(昭和52)年9月10日