がん
がん

冒頭文

若(わか)いがんたちが、狭(せま)い池(いけ)の中(なか)で、魚(さかな)をあさっては争(あらそ)っているのを見(み)て、年(とし)とったがんが歎息(たんそく)をしました。 「なぜ、こんなところに、いつまでもいるのだろうか。」 これを聞(き)いた、りこうそうな一羽(わ)の若(わか)いがんが答(こた)えて、 「おじいさん、どこへゆけば、私(わたし)たちは幸福(こうふく)に暮(く)ら

文字遣い

新字新仮名

初出

「民政」1934(昭和9)年11月

底本

  • 定本小川未明童話全集 10
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年8月10日