いなかのおかあさん
田舎のお母さん

冒頭文

奉公(ほうこう)をしているおみつのところへ、田舎(いなか)の母親(ははおや)から小包(こづつみ)がまいりました。あけてみると、着物(きもの)がはいっていました。そして、母親(ははおや)からの手紙(てがみ)には、 「さぞ、おまえも大(おお)きくなったであろう。そのつもりでぬったが、からだによくあうかどうかわかりません。とどいたら、着(き)てみてください。もしあわないようでしたら、夜分(やぶん)でも

文字遣い

新字新仮名

初出

「台湾日日新報」1936(昭和11)年3月24日

底本

  • 定本小川未明童話全集 10
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年8月10日