北方の海は銀色に凍(こお)っていました。長い冬の間、太陽はめったにそこへは顔を見せなかったのです。なぜなら、太陽は、陰気(いんき)なところは、好かなかったからでありました。そして、海は、ちょうど死んだ魚の眼のようにどんよりと曇(くも)って、毎日雪が降(ふ)っていました。 一疋(ぴき)の親の海豹(あざらし)が、氷山(ひょうざん)のいただきにうずくまって、ぼんやりとあたりを見まわしていました。その