つがるちほうとくゆうのりげん
津軽地方特有の俚諺

冒頭文

雪国の東北人は概してさうだが、わが津軽地方人も老若男女を問はず話好きで、且つ大概話上手である。特に津軽百姓がさうで、所謂水呑百姓の果てまでも日本の他の地方の百姓のやうにはコセつかず、余裕綽々たるものが在り、ユウモアに富み、舌鋒鋭く、警句の多々交はる談話をかはす。菊池仁康君の所謂東京の言葉をコチラの言葉で飜訳出来ても、コチラの言葉を東京の言葉に飜訳できぬ例が随分多いといふ意味で、地方的に独特な、含蓄

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本随筆紀行第三巻 青森|秋田|山形 遊ぶ童子の紅き頬
  • 作品社
  • 1988(昭和63)年2月10日