ほうめいごぶさく 02 どくやくをのむおんな |
| 泡鳴五部作 02 毒薬を飲む女 |
冒頭文
一 「おい、あの婆アさんが靈感を得て來たやうだぜ。」「れいかんツて——?」「云つて見りやア、まア、神さまのお告げを感づく力、さ。」「そんな阿呆らしいことツて、ない。」「けれど、ね、さうでも云はなけりやア、お前達のやうな者にやア分らない。——どうせ、神なんて、耶蘇教で云ふやうな存在としてはあるものぢやアない。從つて、神のお告げなどもないのだから、さう云つたところで、人間がその奧ぶかいところに持つてる
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「中央公論」中央公論社、1914(大正3)年6月
底本
- 泡鳴五部作 上巻
- 新潮文庫、新潮社
- 1955(昭和30)年7月25日