ほうめいごぶさく 04 だんきょう
泡鳴五部作 04 断橋

冒頭文

一 今夜も必らず來るからと、今度はよく念を押して置いた。然し、餘り自分ばかりで行くのもかの女(ぢよ)並びにその家へきまりが惡い樣だから、義雄は今一文なしで困つてゐる氷峰をつれて行つてやらうといふ氣になり、薄野(すすきの)からの歸り足をまた渠(かれ)の下宿へ向けた。 いつもの通り、案内なしであがつて行き、氷峰の二階の室のふすまを明けると、渠(かれ)とお鈴とがびツくりして、ひらき直つた。お鈴はま

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「毎日電報」1911(明治44)年1月1日~3月1日、「東京日々新聞」1911(明治44)年3月2日~3月16日

底本

  • 泡鳴五部作 下巻
  • 新潮文庫、新潮社
  • 1955(昭和30)年7月25日