梅雨の頃になると、村端の土手の上に、沢山のぐみがなりました。下の窪地には、雨水がたまって、それが、鏡のように澄んで、折から空を低く駆けて行く、雲の影を映していました。私達は、太い枝に飛びついて、ぶら下りながら赤く熟したのから、もぎとりました。中には、片輪の実もあった。まだ、熟さないのは、黄色かった。鬱陶(うっとう)しい、黒っぽい、あたりの景色が眼にうつりました。そして、揺ぶるたびに、冷たい雫が、パ