かれらるろうす
彼等流浪す

冒頭文

あてもなくさ迷い歩くというが、やはり、真実を求めているのだ。また美を求めているのだ。なぜなれば、人間は、この憧憬がなければ、生きていられないからだ。 あわれなる流浪者よ、いったい、どこに、その真実が見出され、美が見出されるというのか? そして、いつになったら、汝(なんじ)の流浪の旅は終るというのか? 人間が、この地上に現われた時より、同じく、憧憬は、生れた。南から北へ、北から南へと、彼

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 芸術は生動す
  • 国文社
  • 1982(昭和57)年3月30日