今度の震災の災禍が、経済上にまた政治上に、影響し、従って複雑な関係を個人生活の上にも生じた点が少くない。その中に於て、文学業者の生活は、元来が、一面社会的であると共に、一面は、全く個人的のものであったと言うことができる。 今日、私は、独り芸術とは限らないが、まず芸術に、それが危機にあると言い得るのは、その作者と立場との関係が、極めてデリケートに置かれているからである。 要するに、作者の人格