そうもくのあんじから
草木の暗示から

冒頭文

目の醒めるような新緑が窓の外に迫って、そよ〳〵と風にふるえています。私は、それにじっと見入って考えました。なんという美しい色だ。大地から、ぬっと生えた木が、こうした緑色の若芽をふく、このことばかりは太古からの変りのない現象であって、人がそれに見入って、生の喜びを感ずる心持も、また幾百千年経っても、変りがないと思われました。 なんにも其処には理屈がないのです。たゞ美しいと思えば、それでいゝ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 芸術は生動す
  • 国文社
  • 1982(昭和57)年3月30日