ゆうぐれのまどより
夕暮の窓より

冒頭文

光線の明るく射す室と、木影などが障子窓に落ちて暗い日蔭の室とがある。 其等(それら)の、さま〴〵の室の中には生活を異(こと)にし、気持を異にした、いろ〳〵な、相互いに顔も知り合わないような人が住んでいる。 賑(にぎや)かな町に住んでいる人は、心を浮き立てるような笛や、ラッパの音や、楽隊の音色や、または、夕暮方の電車の音などに耳を傾けて、あてない空想に耽ったり、また、華かな瓦斯(

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 芸術は生動す
  • 国文社
  • 1982(昭和57)年3月30日